第十九回 高砂観月能 平成27年10月24日(土)  能「屋島」 あらすじ  終了しました。ありがとうございました。    

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第十九回 高砂観月能 平成27年10月24日(土)

演目

舞囃子「高砂 たかさご」 シテ   上野朝彦

素謡「神歌 かみうた」 シテ   小寺 一郎

狂言「寝音曲 ねおんぎょく」 シテ(太郎冠者) 茂山宗彦 アド(主人)   丸石やすし

能「屋島 やしま」 前シテ  老漁師   上野雄三

         後シテ 源義経の霊   上野朝義

         ツレ  若い漁師    上野雄介

         ワキ  都からの旅僧  江崎正左衛門

         ワキツレ 旅の僧    江崎欽次朗

         ワキツレ 旅の僧    和田英基

          間狂言  土地の男  松本薫  

 

能「屋島 やしま」の前に

能には武将を主人公として合戦の有り様を描く「修羅物」という分類があります。

能楽は平家物語の曲が多く 平家の武将たちが主役になっているので、負けた側の話が多くあります。

戦に負けた恨みが多い中、「屋島」は 200以上ある曲の中で、たった3曲しかない「勝修羅」の能です。

3曲とは 「屋島」シテ…源義経 「箙えびら」シテ…梶原源太景季 「田村」シテ…坂上田村磨呂 です。

 また、義経に関係する能は数多くありますが シテ(主人公)が義経を演じるのはこの能だけです。  

あらすじ

前場

都の僧(ワキ・ワキツレ)が四国の屋島の浦に着き宿を探していると 無人の塩屋を見つけます。

塩屋の主人の帰りをまっていると 老漁師(シテ)と若い漁師(ツレ)が現れます。

僧が宿を所望すると、 老漁師(シテ)はみすぼらしいあばら屋だからといったん断りますが 僧が都の者と知ると泊めることにします。

老漁師(シテ)は都の人と聞いて懐かしがり 僧に求められて、源平の屋島の合戦の有様を詳しく語ります。

屋島の合戦での ・義経の大将振り ・源氏方の三保の谷(みおのや)四郎と平氏方の景清の「しころ(兜の鉢の左右と後ろに垂れて首の部分を覆うもの)」引きの力比べ ・義経をかばって敵の矢を受けて死んだ佐藤継信や平教経の従者菊王丸の最期 などを語ります。

その物語があまりに詳しいことを不審に思った僧が老漁師の名を尋ねると 義経の霊であることをほのめかして消え失せます。  

中入

そこへ、この土地の男(間狂言)が現れ 僧に尋ねられるままに屋島の戦いの物語を語り 帰ってゆきます。  

後場

その夜、僧の夢の中に甲冑姿の義経の霊(後シテ)が現れ まだこの地に執心が残っていると語り 合戦のさなか、波に流された弓を 名誉の為に敵に取られまいと身を捨てて拾い上げた「弓流し」の様を語ります。

また、修羅道の地獄に落ちてなおも戦い続けねばならない様を見せますが 夜明けと共に僧の夢が覚め、義経の姿も消えます。  

 見どころ

平家物語のなかでも人気の高い源義経が登場する作品。 演者の屋島の戦いにおける義経の大将ぶりや 合戦の名場面の数々が語られたりするのもこの曲の見所です。