第5回 談山能 平成28年5月18日(水)終了しました ありがとうございました。
平成28年 第5回 談山能 平成28年(2016)5月18日(水)
午後1時30分 開演 於:多武峰 談山神社 常行堂
「談山能(たんざんのう)」とは、能楽を大成した観阿弥・世阿弥の本拠地として大切にされてきた、奈良県桜井市にある談山神社(旧・妙楽寺)にて奉納される演能の企画です。
能 談山翁 法会之式
翁 梅若玄祥
千歳 片山伸吾
三番叟 野村万蔵
面箱 野村虎之介
笛 杉信太朗
小鼓 大倉源次郎 脇鼓 清水晧祐 吉阪一郎
大鼓 大倉慶乃助
太鼓 井上敬介
後見 山崎正道 川口晃平
地謡 大槻文蔵 赤松禎友 上野雄三 寺澤幸祐 大槻裕一
仕舞
自然居士 観世銕之丞
松風 浅見真州
百万 大槻文蔵
通小町 野村四郎
能 三輪
シテ 観世清和
ワキ 福王茂十郎
アイ 野村萬
笛 藤田六郎兵衛
小鼓 荒木賀光
大鼓 山本哲也
太鼓 観世元伯
後見 野村四郎 上田公威
地謡 観世銕之丞 浅見真州 上野雄三 浅見慈一 観世淳夫
閉会 (午後4時30分終了予定)
チケットのお申し込み
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大阪観世会定期能 「鞍馬天狗 白頭」 あらすじ 見どころ 終了しました ありがとうございました
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鞍馬天狗
あらすじの前に
「鞍馬天狗」は平安時代、義経が子供だった牛若丸時代の話で、鞍馬山で修行をしていたころ遮那王(しゃなおう)とよばれていた時の物語です。
平治の乱で源氏は敗北し、源義朝は討たれ、義朝の妾だった常盤御前は清盛に命乞いされますが、こんどは清盛の妾になります。
義朝と常盤御前との間に生まれた牛若は清盛の息子達と幼馴染の時代を過ごします。牛若は11歳で寺に入れられますが、その理由は
「まだ幼いので処刑しなくても敵になることはない」「寺に入れると遺伝子をつくれない」など、実質的に源氏を根絶やしにできるということだそうです。
能にはいろいろの天狗が登場しますが、 仏法や人に仇をなす天狗が多い中で「鞍馬天狗」の天狗は人を助ける強大な力を持った天狗です。
鞍馬山は平安時代から桜、紅葉の名所として有名で、修験道の霊山でもありました。その山に住む天狗は山の自然そのものとして考えられてきました。
登場人物
前シテ・・山伏 面:直面 (ひためん)
後シテ・・天狗 面:悪尉(あくじょう)
子方・・牛若丸
子方・・稚児(数人)
ワキ・・東谷の僧
ワキツレ・・従僧
オモアイ・・西谷の能力
アドアイ・・木葉天狗(数人) 面:見得
あらすじ
前場
春の京都、鞍馬山の奥にある僧正が谷(そうじょうがたに)に住む山伏(前シテ)が、花見の宴のあることを聞きつけ、少し離れたところから花を眺めようと見物に行きます。
稚児を伴った鞍馬寺の僧(ワキ・ワキツレ・オモアイ)たちが、花見の宴を楽しんでいると、その場に先の山伏が居合わせていたことがわかります。
よそ者の同席を嫌がった僧たちは、「花見は明日でもよい」と言い、稚児を連れて帰ってしまいました。
ひとりの稚児が残っています。
がっかりする山伏に稚児が
「一緒にお花見をしましょう。」と話しかけてきました。
声をかけられた山伏は、稚児に親しみを感じます。
山伏は稚児の身の上話を聞き、稚児が源義朝の子供で遮那王(しゃなおう)と名付けられた牛若だと察します。
当時は「平家にあらずんば人にあらず」と言われるほど、平氏の全盛期だったので源氏の人々にとってはこの上なく肩身の狭い時代でした。
そんな時代の波に、巻き込まれる幼い牛若に対して、同情の気持ちが山伏の中で募っていきます。
夕暮れが訪れ、山伏は牛若に鞍馬山から見える花の名所を教えます。
牛若が自分に優しくしてくれた山伏に名前を尋ねると、山伏は鞍馬山の大天狗であると名乗り
「平家を亡すべき兵法の奥義を授けよう。また明日会おう。」と言い残して飛び去ります。
後場
その翌日、約束通り大天狗(後シテ)が諸山の天狗を引き連れてやってきました。
いずれも名高い霊山の天狗に囲まれながら牛若への稽古が始まりました。
大天狗は牛若に、自らの師匠である漢の張良(ちょうりょう)が黄石公(こうせきこう)に兵法の秘伝を伝授された話を語って聞かせます。
(張良が秦の黄石公に兵法の秘法を授けられた時、黄石公は張良の忍耐力を試したあと履いていた靴をわざと落とし張良に履かせ、張良の器量を見たという話)
大天狗は牛若に「張良に劣らぬ器量をもっている」と兵法の奥義を授け、牛若を守護することを約束して再び飛び去っていきました。
見どころ
『鞍馬天狗』の見どころはなんといっても花見をする稚児たちの登場です。
前場では、大勢のかわいい稚児の登場や大天狗の化身である山伏と、孤独な牛若丸との師弟の絆が表現されます。
後場では大天狗の勇壮な姿と豪快な動きが見せ場となります。
天狗といえば鼻の高い赤い顔が思い浮かびますが、能の天狗は羽団扇を手にし、「大べし見」という能面の中でも、目や鼻が大きく彫りが深い面をつけた姿で表現されます。
白頭という小書(こがき)では、大天狗(後シテ)の頭髪が通常の赤から白になり、役のスケールが大きくなり、鹿背杖(かせづえ)をついて現れます。大天狗が長刀を使うのも小書(こがき)のときだけです。
面も常の「大べし見」から悪尉(あくじょう)などに変わることもあります。
悪尉の悪は、「わるい」の意味ではなく「大きさ」を意味します。
大槻能楽堂自主公演 平成28年 1月16日(土)「海女」懐中之舞 あらすじ 見どころ
平成28年1月16日(土)14時開演 大槻能楽堂自主公演
能の魅力を探るシリーズ「能の描く女たち」
お話「我が子にささげた命、玉取伝説に秘められた謎」井沢元彦
狂言『鬼継子』シテ 山本則重 アド 山本凛太郎
能『海士 懐中之舞』
シテ 海人/龍女 上野雄三
子方 房前大臣 長山芽生
ワキ 従者 福王知登
ワキツレ 従者 喜多雅人
ワキツレ 従者 是川正彦
アイ 浦人 山本泰太郎
笛 赤井啓三
小鼓 吉阪一郎
大鼓 守家由訓
太鼓 前川光長
後見 大槻文藏 上田拓司
地頭 上野朝義 他
前売一般4,300円(+500円で指定席) 当日4,800円 学生前売2,700円 当日3,100円
海士 あらすじ
前場
奈良時代、房前の大臣(子方)は、亡き母が讃岐の志度の浦の海人であると知って、従者(ワキ、ワキツレ)を伴い、追善の為にその 地を訪れます。
そこで、海人(シテ)が鎌と海松藻(みるめ)を持って現れます。
従者は海人に、水底の月を見るために、海松藻を刈るよう命じます。
海人は、「昔も似たことがあった、龍宮に取られた明珠を潜き上げたのもこの浦の海人だった」と昔のことを語り始めました。
従者は海に入ろうとする海人を留め、今の「玉を取り戻した海人」の話を訪ねます。
藤原不比等がこの地に来てある海人と 契りを交わし、宝珠を取り返してくれば生まれた子を後継ぎにすると約束し、海人は命が けで海底に潜り竜宮に飛び入り乳の下を掻き切って宝珠をまもり、龍宮から珠を取り返してきた有様を語ります。
その様子 を一部始終物語り、自分こそが房前の母だと名乗り海中に消え失せます。
浦人(アイ)が登場。
唐土から贈られた三つの宝のこと、その一つである面向不背(めんこうふはい)の珠が龍神に奪われたのを海人が取り返したことなどを語り、房前大臣が亡き母の為に法要をおこなう準備を始めることになった旨に触れます。
後場
房前大臣は亡き母の残した手紙を読み、回向をして母の菩提を弔うと、
龍女となった母の霊が現れ、法華経の功徳で成仏できたと喜び舞を舞います。
懐中之舞(かいちゅうのまい)
後シテは法華経の書かれた巻物を手に持って登場します。
通常の演出であれば、後シテが〔早舞〕を舞い始める時に子方に経巻(きょうかん)を渡すところを、「懐中之舞」では、シテは経巻を有難く押し頂く心持ちで胸に挿し、経巻を懐中したまま舞を舞います。
舞いの留めにその経巻を子方に渡し、子方が経巻を読むという演出になります。
経典の功徳によって海人の霊が救われた、その喜びを強調する演出で、この他にも装束や前場の型などが変わります。
みどころ
前場の海人が竜宮から玉を取り戻した様を仕方語りに演じるところは「玉之段(たまのだん)」と呼ばれ、最大の見せ場となっています。
竜宮に飛び込んで玉を盗み、最後は自分の乳房を搔き切ってそこに玉を押し込むという壮絶な描写はたいへん印象的であります。
小書「懐中之舞」では、「玉の段」も橋掛かり(はしがかり)を使い、より写実的に演出しています。
ただインパクトの強い描写が続くのではなく、深い海の底から遙か彼方にいる夫や我が子を思い出し、今生の別れに涙ぐむなど、しんみりとした情趣ある場面も挟まり、非常に緩急のついた、ドラマチックな場面となっています。
前場とは対照的に、後場は仏法の力によって救われたシテが、澄んだ美しい舞である〔早舞〕を舞う、優美な場面となっています。